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2014年3月11日 (火)

祈りの日

東日本大震災からもうすぐ3年という3月4日、ある絵本が出版された。

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ぼくは海になった―東日本大震災で消えた小さな命の物語  さく・え うさ

そう。「震災で消えた小さな命展」の代表/うささんによって描かれた絵本だ。

店頭に並び始めたのは、3月4日頃からだけれど、出版の日付は、3月11日と記されている。

主人公は、たえちゃんという飼い主さんのもとで暮らす、ミニチュアダックスフントのチョビちゃん。

チョビちゃんは、たえちゃんのお母さんと一緒に、その胸に抱かれて津波に...

あの日、チョビちゃんのように、たくさんの人間以外の生き物たちも、犠牲になった。

うささんは、2011年の10月、宮城県の沿岸部にボランティアに行き、動物の家族を亡くして悲しい想いをしているたくさんの被災者の方たちや、動物保護のボランティアさんたちと出会い、お話しを伺ったことをきっかけに、「震災で消えた小さな命展」開催を決めた。

亡くなった動物たちと、飼い主さんの心を、自分たちが描く絵でつなぐことが出来たら...

うささんのその想いに賛同した国内外のたくさんのアーティストたちが絵を描いた。

「震災で消えた小さな命展」は、2012年の3月に始まり、パート1、パート2と被災地や日本各地及び台湾で巡回し、描かれた絵は、巡回展を終えた後、飼い主さんのもとへと帰って行った。

思い出の品や写真も、全て失ってしまった方もいらして、「それならば、なおのこと、少しでも似せて描いてさしあげられたら...」と、何度も何度も被災者の方とやりとりして、描かれた絵もある、と伺った。

画家の方が、絵を描いているときに、ふと浮かんだものを描いたら、生前その子が大好きだったものだった、というような、不思議なこともあったそうだ。

飼い主さんは、「やっと逢えたね!」「おかえりなさい!」そう言いながら、絵を迎えに来られるそうだ。そして、愛しそうに胸に抱いて、帰って行かれるとのこと。



「震災で消えた小さな命展」の目的は、実は2つある。

1つは、「亡くなった動物たちと、飼い主さんの心を、自分たちが描く絵でつなぐことが出来たら...」ということ。

そして、もう1つは、「動物も人間と同じ命、大切な家族だ」ということ。

彼らがもし人間だったら、助かった命が、救えた命が、たくさんあった...。

「人間だから」「動物だから」ではなく、「救える命はすべて救う」
「命は平等」なのではないですか?

講演会で、うささんはそう問いかける。

すべての人たちに、命の大切さと平等について、考えてもらうきっかけになれたら...その想いで、全国各地を飛び回っている。

絵になった子たちは、飼い主さんの元へ戻って行ったので、「震災で消えた小さな命展」は、現在、60点を複製し、「複製画展」として全国各地で開催されている。

3月15日~19日は、京都の立命館大学国際平和ミュージアム1階中野記念ホールにて。
3月20日~25日は、神戸の南京町ギャラリー蝶屋にて。

詳細は、コチラ → 



去年の9月のこと。

被災地の動物たちに関する講演会に参加した。

ある地で、長年ボランティアとして活動して来た女性の方が話して下さったことが忘れられない。

3.11以前にも大きな地震を経験しているその地では、自治体が独自でペットの同行避難を認め、ボランティア団体の協力のもと、同行避難の訓練を何度も積んでいたそうだ。

そして、3.11のあの日。

ペットを連れて避難所へ向かった。

ところが、同行避難が認められているにもかかわらず、その通達が隅々まで行き渡っていなかったがため、避難所で同行避難を断られてしまったというのだ。

「ペットは入れられない」

そう言われて、「わかりました」とペットを置いて逃げるひとは誰もいなかったそうだ。

何人もの人が、「自分だけ助かるわけにはいかない」と、ペットを胸に抱いたまま、津波に飲まれていった、と、ボランティア団体の代表の女性が、声を詰まらせて語った。

無念です、と、悔しいです、と、何度も何度も言っていた。

なんのための同行避難の訓練だったのか、と。

環境省で同行避難のガイドラインが提示されたが、それはあくまで最初の第一歩でしかない。

大切なのは、もっと小さな単位でのガイドライン、行政や町内会など、いや、本当に大切なのは、個人個人の心がけなのだと、その時に思った。いくら国が決めてくれても、知らない人にとっては、なんの意味も持たない。

でも、もし、すべてのひとが、「命は平等」と思えたら、そんなガイドラインなんて、必要なくなるだろう。



今日で3年の月日が流れた。

時間が解決する、と、よく言うけれども、悲しみや苦しみは、そんなに簡単には癒えないし、癒せない。

のんちゃんは病気で、心の準備期間を得たにもかかわらず、私はそこからなんとか立ちあがるまで5年の月日を要した。

突然の災害で、愛しい誰かとのつながりを、いきなり断たれてしまった方のお気持ちを想うと、どうお慰めしたらよいのか、言葉も見つからない。胸が痛い。

あの日、空に昇って行ったたくさんの大切な命を想い、今夜は星に祈る。

どうかすべての魂が、安らかでありますように、と...

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コメント

もう3年たつのに、解決できてないことだらけですね。
今年もテレビでいろんなことやってたのを見て
こんな事がおきていたのかってことも新たに知ったり・・
いろんな真実を知って、虚しい思いがしたり・・

とにかく早く、みーんなが安心して暮らせるようになってほしい。

そしてクシネさんが書いてたように
すべての魂が、安らかでありますように。
 

投稿: わこ | 2014年3月14日 (金) 10時40分

震災の後、ペット連れで避難所に入れなかったという話は聞いたことがあるけど、同行避難が出来なくて犠牲になった方たちがいることは、知りませんでした。
いくら国が決めたからって、それを知らない人や守らない人がいるんじゃ、意味がないよね。
この絵本のこと、昨日のテレビ(NHK)で見ました。
自分が忘れないために、それから今小学校で読み聞かせのボランティアをやっているから、いつか持って行ける機会があったらいいなと思って、注文しようと思ってます。
苦しみや悲しみが時間と共に和らぐことはあるけど、すっかりなくなることはないよね。
普段は忘れていても、ふとしたきっかけで、その時その場にいるような気持になっちゃうこともあるものね。
ほんとに、クシネちゃんのおっしゃる通り、すべての魂が安らかでありますように、願っています。

投稿: イルカねこ | 2014年3月14日 (金) 12時29分

bananaわこさん、コメントどうもありがとうheart

まだ仮説住宅で暮らしている方たちはたくさんいて...
故郷に帰れない方たちもたくさんいて...
まだ見つかっていない方たちも、動物たちもいて...

色んな意味で、月日で解決出来ないことが
たくさんあるんだなって、今回のことで思ったわ...

みんなが安心して暮らせる状態に
一日も早くなるといいよね...

そのためには、自分には何ができるだろうって
これからもしっかり考えていかなきゃいけないなって
心に新たに刻んだ11日でした。

投稿: クシネ | 2014年3月16日 (日) 09時54分

bananaイルカねこちゃん、こっちもコメントどうもありがとうheart

ペットは避難所には入れられませんと言われ、
仕方ないので外につないだら、そこに津波が来て...
というワンちゃんもいるの...
飼い主さんはずっと、自分を責め続けているそうです...

例えば大きな小学校が避難所だったら、
階を違えるとか、端っこと端っこにするとかすれば、
動物が苦手な人にも、負担が少なくなると思うのね。
譲り合って助け合って、少しでも多くの命を救う、
うささんは講演会や命展の展示で、
ずっとそれを訴え続けているんだ。

小学校で講演会をする機会も増えて来て、
「うちの小学校では災害時には、
必ずペットも一緒に避難出来るようにします!」と
子どもたちに約束してくれた校長先生もいるの。
校長先生が約束してくれた、っていうことで、
子どもたちがすごく安心して心強く思ったって聞きました。

NHKの放送、観てくださったのね!どうもありがとう!!!
絵本のこと、うささんが聞いたら、喜びます。

ほんとだよね...イルカねこちゃんが言うように、
すっかりなくなることはないんだよね...
思い出すときに、少しでも穏やかな気持ちでいられるように
いつかなるといいよね...

投稿: クシネ | 2014年3月16日 (日) 10時22分

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